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2019.07.24更新

 まず、遺言があるかどうか確認する必要があります。遺言があれば、遺言どおり相続を進めることになります。遺言がなければ、相続人が誰か戸籍謄本を取り寄せて調べる必要があります。遺言の有無に関わらず、亡くなった方にどんな遺産があるか調べる必要があります。

1 遺言がないか
 遺言があれば、基本的には、遺言を前提に相続の手続きを進めることになりますので、遺言がないか探してください。
 亡くなった方が保管していない場合でも、他の方が遺言を保管していたり、銀行の貸金庫に保管されていたりすることもあります。また、公証役場で遺言が作成されていることもありますので、注意が必要です。
 また、遺言が法律上有効なものか確認する必要があります。遺言の作り方については、「遺言はどうやって作ればよいですか?」をご覧ください。

2 誰が相続人か-戸籍謄本の取り寄せ
 遺言が無い場合は、誰が相続人であるか知る必要があります。
 相続について話し合った結果合意できたとしても、後に新たな相続人が登場した場合には、その話し合いが無駄に終わってしまうからです。
 誰が相続人かを調べるには、亡くなった方の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本を取り寄せて、調査する必要があります。
 この作業は時間がかかる大変な作業なので、弁護士に相談されることをお勧めします。
 また、遺言がある場合は、検認などの手続をする必要があります。詳しくは、「相続するにはどんな手続がありますか?をご覧ください。

3 どんな遺産があるのか-財産調査
 次にどんな遺産があるのか知る必要があります。亡くなった方の預貯金等のプラスの財産はもちろんですが、亡くなった方の借金等のマイナスの財産も相続する財産に含まれるので、ご注意ください。
 そこで、以下のものがないか確認する必要があります。
  ①預貯金        
  ②不動産(土地、建物) 
  ③有価証券
  ④不動産以外の高価な物
  ⑤負債
 そのうえで、客観的な資料として、預貯金の場合は預金通帳、不動産の場合は登記簿謄本や公図を取得しておく必要があります。

 基本的には、以上の情報が必要となります。
 あくまで例外的なケースもありますので、基本的な情報を集めた後は、弁護士に相談することをお勧めします。

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 遺言が無い場合は、法律で定められた相続人(法定相続人)が遺産を相続します。法定相続人は、法律で定められた相続分(法定相続分)を得ることができます。法定相続分の割合は、亡くなった方にどういう続柄の方がいるかによって変わります。

1 法定相続人
 遺言が無い場合は、原則として、法律で定められた相続人である法定相続人が遺産を相続します。
 亡くなった方に配偶者がいる場合、配偶者が必ず法定相続人となります。
 以下の順番で、配偶者に加えた者が法定相続人となります。
  ①配偶者と子ども(子どもが亡くなっている場合は、その子どもである孫が相続人となります)
  ②配偶者と直系尊属(例えば親)
  ③配偶者と兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は、その子が相続人となります。)
 亡くなった方に配偶者がいない場合は、❶子どもがいる場合は子どもだけ、❷子どもがいない場合は直系尊属だけ、❸直系尊属がいない場合は兄弟姉妹だけという順に法定相続人となります。

2 法定相続分
 法律で定められた相続分を法定相続分といいます。
 配偶者がいる場合には、次のような割合で相続分が決まります。
  ①配偶者:子     = 1/2:1/2
  ②配偶者:親     = 2/3:1/3
  ③配偶者:兄弟姉妹  = 3/4:1/4
 たとえば、亡くなった方に配偶者と子どもが2人いた場合には、法定相続分は、配偶者が2分の1となり、子どもは2分の1を2人で分けるので4分の1ずつとなります。
 
 配偶者がいない場合は、法定相続人同士で平等に分けます。
 子どもしかいない場合は、全員平等に相続分を有します。
 配偶者も子どももいない場合で、父と母がいるときは、父と母は、それぞれ2分の1ずつが法定相続分となります。


 以上のように、相続分の割合は決まりますが、相続人が多い場合などは複雑な計算になるので、一度弁護士に相談されることお勧めします。

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 遺言がある場合は、遺言の記載通りに相続する手続を進めるので、遺言の検認申立、遺言の執行という手続が必要となります。
 遺言がない場合は、亡くなった方の遺産をどう分割していくか相続人で協議していきます。遺産分割については、調停、審判、訴訟の手続を利用することができます。

1 遺言がある場合
 遺言の記載に特段異議がない限り、遺言の記載通りに相続をする手続きを進めることになります。

●遺言の検認申立
 検認とは、相続人に対して遺言の存在と内容を知らせるとともに、遺言執行前に遺言書を保全して、偽造や隠匿を防ぐために行う手続です。
 公正証書遺言の場合を除き、遺言書の保有者は、家庭裁判所に検認の申立てをしなければなりません。公正証書遺言について詳しく知りたい方は、「遺言はどうやって作ればよいですか?」の記事をご覧ください。
 なお、検認の手続きは、遺言の有効無効を確認する手続ではありませんのでご注意ください。

●遺言の執行
 遺言の内容を実現するために事務を行う人を遺言執行者といいます。
 遺言執行者は、遺言で指定されていることが多いですが、利害関係がある人が家庭裁判所に選任を請求することもできます。
 遺言執行者によって遺言の内容が実現されていきます。

●遺言の効力について
 遺言が法律上有効かどうかを確認する必要があります。
 詳しくは「遺言はどうやって作ればよいですか?」の記事をご覧ください。
 また、亡くなった方が自筆で遺言を作成した場合、遺言が本当に「本人の筆跡なのか」「遺言の日付の時には認知症だったはずだから、遺言を書くことはできなかったのではないか」等不信に思い、遺言の効力に疑問を持つことがあると思います。
 遺言の効力を否定したい場合には、遺言無効確認の訴えを提起する必要があります。

2 遺言がない場合
①遺産分割協議
 亡くなった方の遺産をどう分割していくか相続人で協議していくことになります。
 遺産分割協議をする前に、弁護士に相談されることをお勧めします。専門的知識がないと、ご自身の権利を守ることができなくなってしまうおそれがあるからです。
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②遺産分割調停
 当事者同士で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に対して、遺産分割調停を申し立てることになります。
 調停手続は、調停委員という第三者を間に挟んでの話し合いですので、あくまで当事者全員の合意がなければ成立しません。
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③遺産分割審判
 調停で合意できない場合は、調停は終了し、審判に移行します。
 審判手続では、裁判所の判断によって結論が決まります。

●遺産分割訴訟
 その他、訴訟が必要になるケースもありますので、弁護士にご相談することをお勧めします。

 

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 今回の改正で、結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合には、原則として特別受益として扱われなくなり配偶者の権利がより保護されるようになりました。

1 特別受益
 生前贈与は、①婚姻のため、②養子縁組のため、③生計の資本(生活援助)のため、のうちどれかに該当すると、亡くなった方の遺産として計算され、相続のなかで考慮されることになります。
 このことを特別受益といいます。この特別受益は、遺言があっても、なくても考える必要があります。

 特別受益にあたるか分からない場合は、弁護士に相談されることをお勧めします。

2 特別受益についての法改正
 今回の改正で、結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合には、原則として、特別受益として扱われなくなりました。

 改正前には、被相続人が、自分の死後に配偶者が生活に困らないように自宅を生前贈与しても、特別受益に該当していたのです。
 今回の改正により、自宅について生前贈与を受けた場合には、配偶者は結果的により多くの相続財産を得て、生活を安定させることができるようになります。

 

 

 

 

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 ご実家をお兄さんと2人で相続した場合、お2人の「共有」の状態になります。

「共有」とは?
 実家の不動産をお兄さんと2人で相続した場合、この不動産はお兄さんとの共有になります。共有とは、不動産などを複数の人が共同で所有している状態をいい、もっている所有権の割合を「持分」といいます。
 特に取り決めをしていなければ、お兄さんとあなたは、ご実家について、それぞれ2分の1の持分を持っていることになります。
 不動産が共有になっている場合、不動産全体を売却する時などには、共有者全員の同意が必要です。また、賃貸貸借契約の解除や締結など、不動産の管理については、共有者の持分割合の過半数の同意が必要です。修繕など、不動産の維持については、他の共有者の同意は必要ありません。

共有を解消したい
 他の共有者が同意してくれない場合、不動産の処分や管理が難しくなります。不動産の利用方針が一致しない場合には、不動産の共有状態を解消されることをご検討されるのがよいでしょう。
 不動産の共有状態を解消する方法としては、
  ①2人で一緒に売却する
  ②持分をお兄さんに買い取ってもらう
  ③お兄さんの持分を買い取る
の3つの方法があります。
 いずれも難しい場合には、裁判所に共有物分割請求訴訟を起こして、裁判を通じて共有状態の解消を目指すことになります。
 遺産分割手続が終わっていない場合には、遺産分割協議のなかで、あなたかお兄さんのどちらかだけが相続することもできます。
 不動産の共有状態の解消は、状況に応じた対応が必要ですし、法的・税務的な問題が絡むことも多いため、弁護士に相談されることをお勧めします。

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 ご実家をお兄さんが一人で相続し、その代わりに金銭(代償金)を受け取ることも可能です。

代償金とは?
 権利を渡す代わりに支払ってもらう金銭のことを代償金といいます。 
 遺産分割手続が終わっていない場合には、遺産分割協議のなかで、ご実家の不動産をお兄さんが一人で相続し、その代わりに、お兄さんがあなたに代償金を支払う、という取り決めをすることができます。
 この方法をとる場合には、遺産分割の内容を記した書面(遺産分割協議書)に、代償金を支払うこと、代償金の金額を書いておく必要があります。代償金の金額は、不動産の評価をもとに決めることになりますので、トラブル防止のためにも弁護士に相談されることをお勧めします。

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 相続法が改正されたため、2020年3月31日以前と以降で違いがでてきます。
 2020年3月31日以前と以降の方法について、それぞれご説明していきます。

2020年3月31日まで
 相続法の改正によって、配偶者居住権が新しく定められました。ですが、配偶者居住権は2020年4月1日以降の制度ですので、それ以前の場合の方法をご説明していきます。

●遺産分割協議で決める
 相続人全員の話し合いで、これまで住んでいた家を妻が相続し、そのまま居住する方法が考えられます。
 分かりやすい方法ですが、家の敷地の価値が高いため、預貯金など他の遺産を相続できない・他の相続人に代償金を支払う必要がある、というケースも見られます。
 そのため、遺産分割協議が成立した後の生計などについて慎重に検討する必要があります。

●賃貸借契約を結ぶ
 家を相続した人から、家を借りて、妻が居住することも考えられます。
ですが、この方法は賃料の支払いによる経済的負担が大きいほか、賃貸人から賃貸借契約の更新を拒絶されるリスクなどもあります。

2020年4月1日以降【改正】
 相続法の改正により、配偶者居住権・配偶者短期居住権(以下「配偶者居住権等」といいます。)が新たに制定されました。2020年4月1日以降に亡くなった方の相続については、妻は、配偶者居住権等を取得することで、一生または一定期間、亡くなった夫と住んでいた家に住み続けることができます。

 

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人が、最低限主張できる権利です。遺留分は、遺言等によっても奪われない最低限の権利です。
 亡くなった方の配偶者、子、直系尊属が遺留分権利者となります。
 なお、遺留分は相続人に与えられる権利であるため、相続放棄をした者等は遺留分がありません。

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 遺留分を確保するためには、期間内に請求する必要があります。
期間内に請求しないと消滅してしまいますので、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

①内容証明郵便を送る。
 遺留分侵害額請求権は、相続の開始及び侵害すべき贈与又は遺贈があったことを知ってから1年間行使をしない場合、相続の開始から10年経過した場合には、時効によって消滅してしまい、請求することができなくなってしまいます。
 期間内に請求したことを証拠に残しておくために、遺留分侵害額請求をする旨の内容証明郵便をできるだけ早く相手方に送るのがよいでしょう。
 期間制限がありますので、お早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

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②調停手続
 当事者同士での話し合いがまとまらない場合は、調停を申し立てることになります。

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③裁判手続
 調停でもまとまらない場合は、訴訟を起こす必要があります。

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.07.24更新

 遺留分は、法定相続分の2分の1と定められています。(法定相続文については「遺言がない場合に相続できる割合は?」をご参照ください)
 具体的な計算をみていきましょう。
 例えば、Aさんには、子どもが3人いますが(Bさん・Cさん・Dさん)、Bさんに遺産の全てを相続させるという遺言を残して亡くなりました。Aさんの遺産は、自宅土地建物(時価4000万円)、預貯金合計2500万円、500万円の借金がありました。

遺留分割合は?
 遺言どおりであれば、Cさん・Dさんは何も相続できないことになりますが、遺留分がありますので、Bさんに遺留分を請求できることになります。
 Aさんの相続人は子ども3人なので、Cさん・Dさんの法定相続分は、それぞれ3分の1です。遺留分はその2分の1なので、Cさん・Dさんの遺留分はそれぞれ6分の1になります。

具体的な計算は?
 Aさんの遺産は、自宅土地建物と預貯金の合計6500万円ですが、借金が500万円ありますので、6500万円から500万円を引いた6000万円をもとに遺留分を計算します。

  (4000万円+2500万円)-500万円=6000万円

 Cさん・Dさんの遺留分はそれぞれ6分の1ですから、遺留分は1000万円になります。

   6000万円×1/6=1000万円

 以上のご説明は、生前の贈与などがない、とても単純なケースとなります。
 相続人のなかに、生前贈与を受けた方がいた場合などは、複雑な計算になりますので、弁護士に相談されることをお勧めします。

投稿者: 東京合同法律事務所

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