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2018.10.03更新

 港区の東京合同法律事務所で弁護士をしている、樋谷賢一です。

 近年、インターネット技術の進展、接続環境の整備などにより、誰もが、いつでも、気軽にインターネットを利用できるようになりました。インターネットを使えば、ちょっとした調べ物、友人への連絡、SNSを利用した情報発信、ネット通販など様々なことが行え、インターネットは、現在人にとって必要不可欠なものと言っても過言ではないでしょう。

 しかしながら、インターネットは、便利な反面、使い方を誤るとトラブルに巻き込まれる危険性も秘めています。実際にあったトラブルなどをふまえ、インターネットの使い方やトラブルへの対処方法について、考えてみたいと思います。

 

1 ネット上での誹謗中傷

 インターネット上で誹謗中傷されているのでやめさせたい、誹謗中傷した人物を訴えたい、インターネット上での投稿が名誉毀損だとして訴えられた、といった相談を受けることがあります。

 インターネット上では、匿名での書込みが可能な掲示板などがあるため、しばしば、他人を誹謗中傷するような表現が見受けられますが、内容によっては、名誉毀損やプライバシー侵害に該当し、名誉毀損罪や偽計業務妨害罪、不法行為の対象になりえます。したがって、たとえ匿名であったとしても、節度ある行動が必要です。

 万一、インターネット上で誹謗中傷されたりプライバシーを侵害されたりした場合には、証拠を保全し、情報発信した人物を特定することが重要になりますので、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

 

2 著作権に要注意

 インターネット上には様々な記事や画像があふれており、容易にコピー・転載することができます。しかし、インターネット上の記事や画像も著作権法の著作物に該当するものは、同法による保護を受け、一定の要件をみたさない利用は著作権法違反になりえます。例えば、他人のブログの記事や写真を勝手にコピーし、自分のブログに掲載する行為は、著作権侵害に該当しえます。安易に他人の記事や写真を転載することのないように気をつけましょう。

 

3 SNSは個人情報の宝庫

 近年、様々なSNSが登場しており、多くの方が使っていると思います。SNSは、気軽に情報を発信できる点が魅力的ですが、公開範囲を限定していない場合には、世界中の人々の目に触れる可能性があります。

 例えば、投稿した写真の設定によっては、撮影日や撮影場所が特定できるため、自宅や勤務先、個人の行動パターンを特定される危険性があります。また、家族の写真を投稿する人もいますが、家族構成や子どもの学校などが第三者に知られる危険性もあります。先日は、SNSで旅行に行っている投稿をしている人の自宅を狙って空き巣をしていた犯人が逮捕されたというニュースもありました。

 このように、SNSは、悪意のある人物からすれば個人情報の宝庫といえます。公開範囲を吟味するとともに、投稿によるリスクにも注意を払うようにしましょう。

 

4 ネット通販・オークションの注意点

  インターネットは個人が容易に利用できるため、ネット通販やオークションで個人間のやり取りも活発になっています。それに伴い、ネット通販で注文した商品が届かない、オークションで落札した商品が届いたけど説明と違う、といった相談を受けることがあります。

  相手方が初めから詐欺を働く目的の場合には、掲載されている住所や連絡先が不十分であったり虚偽であったりして、連絡が取れなくなることが多いです。そのため、取引をする前に、相手方が十分に信用できるか吟味することが重要となります。経験上、「100%保証」などと謳っていたり、宣伝にいいことばかり書いていたりする相手方は要注意です。また、連絡先の記載内容、他の取引者の評価などにも注意を払うようにしましょう。場合によっては、サイトの運営会社が補償してくれることもあるので、運営会社の方針や補償内容等も確認するようにしましょう。

 

 このように見てくると、インターネットって怖い、と思われるかもしれませんが、インターネットが便利なものであることは疑いありません。インターネットの危険性や注意点を十分に認識、理解して、快適で安心・安全なインターネットライフを送りたいものです。

 弁護士 樋谷 賢一

投稿者: 東京合同法律事務所

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