専門は何ですかと聞かれることがあります。なかなか答えにくい質問です。何が専門の基準かわからないからです。しかし、依頼するかどうか決めるうえで専門が何かを聞きたいのはわかります。そこで、私はこういう事件を担当してきましたとか、こういう事件を担当していますとお答えすることにしています。専門と言えるかどうかはわかりませんが。
ちなみに、現在、私が担当している事件や業務は次のとおりです。
再開発、不動産、借地借家、建物明渡、共有物分割、
遺産分割、遺言作成、遺言執行、遺言無効確認、遺留分、
財産管理、任意後見契約、民事信託、離婚、金銭債権、
交通事故、固定資産税、マンション管理組合
法律顧問業務(全国保険医団体連合会、東京歯科保険医協会、東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部、日本勤労者山岳連盟のほか、複数の会社や個人からご依頼いただいています。)
弁護士になって今年で35年になりますが、その35年の積み重ねが現在の事件や業務になっています。
六法や判例を暗記しているのですかと聞かれることもありますが、私は暗記していません。法律や判例は必要に応じて調べればいいからです。
では、弁護士の仕事の中で重要なことは何でしょう。この質問に対する答えは弁護士によってかなり違うかもしれません。
私は、一つはコミュニケーションが重要と思っています。依頼者とのコミュニケーション、相手方やその代理人弁護士とのコミュニケーション、裁判官とのコミュニケーション、関係者とのコミュニケーション、場合によっては、行政とのコミュニケーション、マスコミとのコミュニケーションなどです。
そうしたコミュニケーションは、対話・電話・弁論や文書・ファックス・メールなどで日常的に行っていますが、言葉の正確で明確な使用はもちろん、言語表現の真実性・妥当性・誠実性といったものの積み重ねによって信頼関係や連帯を醸成することができれば、ともに問題の解決を目指す可能性を切り開くことができます。
もう一つは、分析力です。必要な情報や資料を収集して分析し、正確な見通しを立てて説得力のある主張や解決策を組み立てる力です。有利なものだけでなく不利なものも含めて分析することが重要です。
他にもいろいろあるとは思いますが、何を重視するかに弁護士の個性が現れるように思います。