当事務所の泉澤章弁護士が執筆した書評がしんぶん赤旗の書評欄に掲載されました(2024年6月30日号)。ご紹介した書籍は『腐敗する「法の番人」警察、検察、法務省、裁判所の正義を問う』(鮎川潤著)です。
じつは、犯罪の認知件数や検挙件数は減少し続けています。それにも関わらず、テレビやネットでは凶悪な少年犯罪や殺人事件が激増し、悪質なあおり運転などが多発しているかのように錯覚させる報道を日々見せられています。なぜ、私たちの「体感治安」は悪化しているのでしょうか?
犯罪学・刑事政策を専門とする著者の鮎川氏は、犯罪件数の減少ではなくむしろ状況が悪化しているような印象を持つよう警察が導いていることを本書で指摘しています。その裏には、裏金問題やパチンコ業界、警備会社との癒着など、警察の上層部による組織的な利権体質があるといいます。また、警察と同じく治安を守る検察、法務省、そして裁判所にもまた各組織の利権のために逸脱行動があると指摘しています。警察、検察、法務省、裁判所…これら法の執行に関わる行政機構が一体誰のために存在するのか、国民にもっとも触れられたくないであろう腐敗した問題を本書は一挙に暴き出しています。
警察の不祥事や誤判・誤審といったニュースに接し、警察等のあり方に疑問を持たれている方はぜひ本書をご一読下さい。
【平凡社】腐敗する「法の番人」 警察、検察、法務省、裁判所の正義を問う(https://www.heibonsha.co.jp/book/b639170.html)