トピックス

2020.10.22更新

 今週土曜日10月24日の14時より、今市事件のシンポジウムが開催されます。
 無実を訴える勝又さんを支えてきた5人のパネリストが登壇し、再審開始へ向けた取り組みを語ります。
 ネット配信もされますので、ぜひ多くの方にご視聴頂きたく存じます。

シンポジウム 今市事件は終わっていない―誤った有罪判決を斬るhttp://www.kyuenkai.org/1024/

 パネリストは以下の方々です。
   木谷 明:元東京高裁判事、弁護士
   白取裕司:北海道大学名誉教授、神奈川大学教授、弁護士
   豊崎七絵:九州大学教授
   周防正行:映画監督、再審法改正市民の会運営委員
   今村 核:弁護士(今市事件元弁護人)

 当事務所からは、コーディネーターを当事務所の泉澤章弁護士が勤め、事件の概要と経過を横山雅弁護士が報告します。

【今市事件】
 2005年12月1日、栃木県今市市(現日光市)の小学1年生の女児が行方不明となり、翌日、茨城県の山林で遺体が発見されました。事件発生から約8年後、警察は勝又拓哉さんを偽ブランド品の販売など商標法違反、銃刀法違反(ナイフの収集)の疑いで別件逮捕して殺人事件の取調べをおこない、強引に自白をさせて起訴しました。
 2016年4月、一審の宇都宮地裁では、警察が強要した自白に基づき、女児を拉致してわいせつ行為をし、ナイフで刺して殺害したあと遺体を山林に遺棄したことを認定して、無期懲役の判決をしました。
 二審の東京高裁では、自白にある精液など「わいせつ行為」の痕跡がなく、勝又さんのDNAも検出されず(別人のDNAは検出されている)、自白した殺害方法や場所も物理的に不可能など、無罪を裏付ける様々な事実が明らかとなり、自白は信用できないとして一審判決は破棄しました。しかし、殺害日時や場所を広げた訴因変更を検察に薦めた上で、高速道路の車線カメラ(Nシステム)に車が映っている、母にかけた迷惑を謝罪した手紙などの「情況証拠」によって犯行が認められるとして、あらためて無期懲役判決を出しました。
 一審の宇都宮地裁の裁判員裁判でも、勝又さんの犯行を裏付ける物的証拠が無いなか、有罪とする根拠は「自白」と「状況証拠」だけであり、「状況証拠」だけでは有罪にできないことを認めています。しかし、「自白」が信用できるとされたことで、「状況証拠」と「自白」をあわせれば犯人と認定できるとされました。この「自白」の信憑性を否定してなお有罪ありきに固執する刑事司法の異常性が表れているのです。弁護団は最高裁に上告しましたが、今年の3月4日付けで、最高裁は上告を棄却しました。

 勝又拓哉さんは現在、千葉刑務所に収監されています。獄中から再審をめざして頑張っています。
 ぜひ、多くの方にご視聴いただきたく存じます。また、ぜひ周りのご友人方やSNSなどで拡散頂けますと幸甚です。
 事件の詳細と判決の問題点については、下記国民救援会のリンクから詳細がお読み頂けます。

【リンク】国民救援会-今市事件-
http://www.kyuenkai.org/index.php?%BA%A3%BB%D4%BB%F6%B7%EF

【PDF】シンポジウム今市事件は終わっていない―誤った有罪判決を斬る

シンポジウムチラシ表面

 

シンポジウムチラシ裏面

投稿者: 東京合同法律事務所

2020.05.22更新

泉澤章弁護士が取り組んでいる「桜を見る会・前夜祭」を刑事告発したことについてYahoo!ニュースに報じられました。
ぜひご覧ください。

TBS NEWS:https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20200522-00000002-jnn-soci

日テレNEWS24:https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20200521-00000607-nnn-soci

FNN PRIME online:https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20200521-00144578-fnn-soci

時事通信社:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200521-00000067-jij-soci

TBS NEWS:https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20200521-00000037-jnn-soci

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.12.16更新

ここ10年の日弁連の活動の歴史をまとめた「日弁連七十年」が出版されました。

当事務所の泉澤章弁護士が、第3章人権課題に関する取組のうち、「3 再審・誤判問題に関する取組(p.120~124)」を執筆しました。 こちらの書籍はインターネット上でも公開されていますので、↓URLよりぜひご一読下さい(※PDFでは5ページ目~です)。

https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/publication/70kinenshi_3-2.pdf

日弁連七十年

日弁連創立70周年記念誌のサイトはこちら→「日弁連七十年」https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/book/commemoration70.html

 

【関連】泉澤章弁護士はこちらの記事も執筆しています。「日経ビジネスにコメントが掲載されました」「施行から1年 日本版司法取引はどう運用されているのか

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.09.13更新

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.05.31更新

 当事務所の岡部保男弁護士泉澤章弁護士が編著者となった「Q&A見て分かるDNA型鑑定[第2版]」(現代人文社、定価3200円+税)が出版されました!第1版の好評につき、最新の理論・事件を加えてバーションアップしたものです。

Q&A見て分かるDNA型鑑定[第2版]

 裁判実務でDNA型鑑定が問題となった場合に、その鑑定方法の正しさや結果の妥当性をどう判断すべきでしょうか。2010年の第1版刊行以降、DNA型鑑定に関するガイドラインの改定や裁判所による新たな判断が多数ありました。
 第2版では、それらを踏まえて、刑事弁護士の実務の視点からDNA型鑑定の実際と実践的知識を解説しています。

現代人文社:http://www.genjin.jp/search/s8738.html

版元ドットコム:https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784877987251

 

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.05.21更新

弁護士 泉澤章

日本版「司法取引」の施行開始から1年

 昨年(2018年)6月1日,可視化制度の導入や盗聴法の拡大などとともに,2016年改正刑訴法の“目玉”として新設された日本版「司法取引」が,いよいよ施行された。

 新たに導入されたこの日本版「司法取引」制度は,他人の犯罪事実を取引材料にして自らの不起訴や刑の減免を得るという「捜査公判協力型」の司法取引であり,「密告型」の司法取引というべきものである。他人を密告したことで利益を得られるということは,そのような利益にあずかるために無関係の他人を巻き込んでしまう危険性がある。日本でも,これまで捜査機関によって事実上行われてきた「闇取引」によって,数多くの冤罪が発生してきた(「日本版『司法取引』を問う」2015年旬報社刊参照)。

 日本版「司法取引」の施行開始から1年が経過した今,現実にどのような事件に「司法取引」が利用されているのだろうか。そして,導入にあたって懸念されてきた新たな冤罪の危険性は,完全に払拭されたのだろうか。

適用事例第1号-MHPS事件

 2018年7月20日,東京地検特捜部は,三菱日立パワーシステムズ(MHPS)によるタイでの火力発電所建設に絡み,同社元幹部3人を不正競争防止法違反(外国公務員に対する贈賄)で在宅起訴するとともに,同社については,東京地検特捜部に対して捜査協力をした見返りとして不起訴とした。このMHPS事件が,日本版「司法取引」適用事例の第1号とされている。

 しかし,そもそも「司法取引」を導入した目的は,法制審でもさんざん議論されたことだが,組織犯罪における黒幕処罰の必要性だったはずである。それゆえ,適用が想定される事例としてあげられていたのが,いわゆるオレオレ詐欺における末端の「受け子」「出し子」に恩典を与えて,実際に指令を下して多額の利益を貪っている黒幕を処罰するというものであった。ところが,MHPS事件は,要するに,現地の役人に賄賂を贈って事業継続をしようとした役員個人を法人自ら告発し,検察に捜査協力をすることで,法人そのものが恩典を得るというものである。法人処罰を逃れるため,その法人の事業遂行のため動いてきた個人の処罰に法人が協力するというのであるから,「トカゲの尻尾切りのために制度が利用された」との批判も,あながち嘘ではない。いずれにしても,当初の制度目的が黒幕処罰であったことからすれば,適用事例第1号がそれとはまったく違った目的のもとでの適用となったことは間違いない。

 なお,MHPS事件で起訴された3人のうち,2人は起訴内容を認め有罪判決が言い渡されたが(東京地裁2019年3月1日判決),もう1人は無罪を主張し分離公判で争っており,今後,「司法取引」における合意内容の信用性が,初めて公判で争われるものと思われる。

適用事例第2号-カルロス・ゴーン氏の事件

 そして,日本版「司法取引」適用事例第2号とされているのが,2018年11月以来,世間でも大きく注目されている日産元会長のカルロス・ゴーン氏の金融商品取引法違反・特別背任事件である。同氏の事件については,最初の起訴の後,なかなか保釈が通らず(その後弁護人の交代,保釈決定,保釈後の再逮捕),身柄拘束の長期化,人質司法の現状は国際的にも強く批判されているが,同氏の起訴内容を裏付ける証拠として,日産社員と検察との「司法取引」による合意があったことも注目されている。

 もっとも,カルロス・ゴーン氏の事例については,未だ公判の目処はたっておらず,誰とどのような「司法取引」がなされたのかなどの事実関係が明確になっていないことから,現時点でその内容を評価することは難しい。しかし,同氏も弁護人も起訴内容については全面的に否認しており,今後開かれる公判での攻防については,その進展を注視してゆく必要がある。

日本版「司法取引」の今後と批判的視点の必要性

 日本版「司法取引」が制度化されたとき,筆者は,「法務検察としては,制度の運用が現実化すれば,まずは財政経済事犯のなかでも,比較的件数の多い組織的詐欺や貸金業法違反などの一般事件から“成功例”を出して,根付かせて行くことを考えているのかもしれない」としていた。しかし,これまでに起訴された2つの適用事例を見る限り,検察(特に特捜部)が制度の定着を計ろうとしていることは間違いないものの,法制審などで典型例としてあがっていたオレオレ詐欺のような一般事件ではなく,大企業を舞台とした大規模事件に限定しているようにもみえる。

 もっとも,このような適用傾向が今後も継続するのかは定かでない。現時点では,世論の多くが「司法取引」の問題性を意識せず,大規模事件における検察側立証の要として用いられたことについて,むしろ好意的ですらある(元検察官の郷原信郎氏は自らのブログで,MHPS事件に「司法取引」が適用されたことに“違和感”があると述べつつも,法人処罰を従来のように個人処罰の副次的なものと捉える従来の考え方から,個別に捉える考え方へと変化する契機になるのではないかと述べ,一定評価しているようである。)。

 しかし,密告型「司法取引」による巻き込み型冤罪発生の危険性を完全に払拭する有効な手立ては存在しない。特に,司法取引によって「売られた」側の弁護人は,「売った」側の弁護人の同意というある種の“お墨付き”を得た供述を弾劾しなければならず,極めて困難なたたかいを強いられることになる。

 さらに,新たな制度の有用性は,簡単に危険性へと転嫁することを忘れてはならない。大規模な経済的事件への適用「成功例」の賞賛は,今後適用される可能性のある別種の事件への無批判な適用を許しかねない。その別種の事件が,市民として身近に感じられない大企業の事件などではなく,民主的な組織にまで対象を拡げることも十分ありうる。

 私たちは,今後も日本版「司法取引」が,新たな冤罪を生む危険性をはらんだ制度として存続していないか,常に批判的視点をもって,検証し続けてゆくことが必要であろう。

(2019年5月21日)

 

本記事は泉澤章弁護士が執筆しました。当事務所で取り扱うの刑事事件についてのご説明はこちらをご覧下さい。

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.05.15更新

当事務所の横山雅弁護士が3月6日に国会内で行った学習会の講演が誌面にて特集されました。
掲載されたのは「季刊 救援情報(2019年5月1日第101号)」。全国の冤罪事件を支援する日本国民救援会発行の専門誌で、今号の特集は「私たちの情報が丸裸に!?国民監視・管理を考える」となっています。

今年はじめには、Tカードの個人情報が警察に提供されていたことが発覚し、注目を集めました。
警察がTカードなどの情報提供を要請する際につかう捜査関係事項照会書の取扱いや法律上の考え方、プライバシーや監視の社会問題に踏み込んだ講演内容となっています。
日本国民救援会様に許可をいただき、講演記事部分を全文掲載させて頂きました。
ご興味を持たれた方はぜひご一読下さい。

↓講演記事(PDF)はこちらからダウンロードいただけます。
https://www.tokyo-godo.com/asset/20190501kyuenjouhouNo1.pdf

 

関連リンク:日本国民救援会とは

日本国民救援会は、1928年4月7日に結成された人権団体です。戦前は、治安維持法の弾圧犠牲者の救援活動を行い、戦後は、日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤として、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支え、全国で100件を超える事件を支援しています。
日本国民救援会HP:http://kyuenkai.org/

 

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.01.15更新

「PRESIDENT」誌(2月4日号)に泉澤章弁護士のインタビューが掲載されました。

プレジデント誌2019年2月4日号14ページ

 昨年,日産・三菱自動車のカルロス・ゴーン前会長が金融商品取引法違反と背任の疑いで逮捕・起訴され,世間に衝撃を与えています。今回カルロス・ゴーン氏が逮捕・起訴に至った背景には,事件関係者が自分だけ罪を免れるため,カルロス・ゴーン氏にとって不利益な事実を検察に供述する,いわゆる「司法取引」が適用されたからと言われています。日本版「司法取引」は2016年の刑事訴訟法改正によって初めて導入された制度ですが,泉澤弁護士は,日本版「司法取引」は密告者に利益を与える制度であって,場合によっては冤罪の温床になりかねないという立場から,「司法取引」に関係する法律家には慎重な判断と態度が求められると述べています。

プレジデント誌2019年2月4日号表紙

投稿者: 東京合同法律事務所

2019.01.10更新

 日本弁護士連合会の機関誌「自由と正義」1月号に、泉澤章弁護士のブックレビューが掲載されました。紹介しているのは↓こちらの書籍です。
「白熱・刑事事実認定 冤罪防止のハンドブック」(門野博 著、正林書院)

 泉澤章弁護士はこれまで、足利再審事件(2010年再審無罪)や昨年8月に高裁判決が言い渡された今市幼女殺害事件(現在最高裁に係属中)をはじめ、多くの困難事件の弁護に取り組んできました。その泉澤弁護士が今回ブックレビューで取り上げたのは、門野博弁護士(元東京高裁部総括判事,元法政大学法科大学院教授)の著作です。初学者でも手に取りやすいような構成上の工夫が施されていますが、最近特に議論がさかんな情況証拠による事実認定問題など高度な内容も含んでおり、「日々刑事弁護に携わる弁護士にとっては、批判的視点も含め、注目すべき著作である」と紹介しています。

book該当の書評はこちらからPDFでご覧頂けます。

 


自由と正義 -日本弁護士連合会-
 日弁連では、1950年(昭和25年)から機関雑誌「自由と正義」を毎月発刊し、会員に送付しています。毎号、各界からの執筆者により法律実務、日弁連・弁護士会の当面する諸問題などについて特集が組まれており、学術的にも高度な誌面となっています。

投稿者: 東京合同法律事務所

2018.09.07更新

2016年の刑事訴訟法改正により、取調べの録音・録画の義務化が2019年6月までに施行されることとなりました。

しかし、その対象事件は、公判請求全事件の3%弱にすぎません。

そこで、足利事件と今市事件を取り上げ、改正法の対象事件の範囲ではなぜ問題なのかを明らかにします。

そして、全事件での可視化の実現に向けて、これからの刑事司法のあり方を一緒に考えたいと思います。

東京合同法律事務所の 弁護士 泉澤章 が、足利事件の再審弁護人としてお話します。

是非ご参加下さい。

日時:2018年9月25日(火)午後6時30分~午後8時30分(午後6時15分会場)

場所:弁護士会館2階講堂クレオ(千代田区霞が関1-1-3)

 

取調べの全件可視化を求める市民集会PDF

 

取調べの全件可視化を求める市民集会

 

投稿者: 東京合同法律事務所

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