コラム

2023.03.14更新

 高齢化社会が問題視される今の日本。出生率は下がり、将来の高齢者を支える社会福祉に足るだけの税収が得られるのか、不安がつきまとう。
 日本の社会福祉制度は有難いものであり、高額療養費制度、生活保護制度、障害年金制度など、いざという時もなんとか生きていく術がある。しかしこれらの制度も、税収があってこそ機能する。少子高齢化とはいえ、なんとかこれらの制度は機能して欲しい。そうでなければ、高額な治療が必要になった時、お金がない人は治療ができず、見捨てられる社会になってしまうからだ。
 仮に社会福祉が機能して、金銭的にはなんとかして生きていけたとしても、老後の不安には、それだけでは解決できないものがある。最低限度の生活を営めれば安心、というものでもないのだ。

老後の不安1 急病

 急に病に倒れた時、一人暮らしの場合、誰も救急車を呼んでくれず孤独死する危険がある。これは、高齢者でなくとも一人暮らしであれば危険は同じである。セキュリティ会社による安否確認サービスなどを利用したほうが良いかもしれない。

老後の不安2 窃盗強盗

 最近も強盗のニュースが多いが、一人暮らしの老人は、狙われやすい環境にあって危険である。そういう意味では、戸建てに住むのはリスクもあるだろう。

老後の不安3 要介護の場合

 自分が要介護になってしまった場合、十分にケアしてくれる家族がいれば安心できることもあるかもしれないが、在宅介護はなかなか難しい。施設に入る場合、費用がかかる。民間の施設の場合費用は様々で、リーズナブルな場合もあれば、莫大な初期費用がかかる場合もある。また、どの施設に身を預ければ安全なのか、信用できる基準がわからない。仮に良い施設に入れたとしても、入所時よりも健康状態が悪化した場合には退去させられてしまうこともあるようである。

老後の不安4 認知症になった場合の金銭管理

 認知症になった場合、信用できる家族がいれば金銭の管理は任せることができるかもしれない。しかし、家族もおらず施設に入った場合には、誰に金銭管理を任せればよいのか。金銭管理を他人に任せると、横領されるような事件もあって、不安である。

 他にも老後の不安は尽きないだろう。解決策が見いだせないでいるが、解決できるような社会構築が必要だと感じる。

弁護士 渥美木理

投稿者: 東京合同法律事務所

2022.02.16更新

◆令和5年(2023年)4月1日から、相続開始後10年を経過した遺産分割には、特別受益・寄与分の規定が適用されなくなります。

遺産を分けるには、原則として遺産分割を行う必要があります。

遺産分割には、協議・調停・審判などの手続きがあります。
協議は相続人全員での話し合い、調停は家庭裁判所で行われる相続人全員での話し合い、審判は、調停での話し合いがつかなかった場合に、裁判所が判断を下すものです。

遺産分割では、特別受益・寄与分が問題になることが多くあります。
特別受益は、生前に金銭や不動産の贈与等を受けていた相続人がいる場合、その方は遺産の前渡しを受けていたものとして遺産を分割する制度です。
寄与分は、生前に亡くなった方のお世話をしていた相続人等がいる場合に、その方の労力を金銭評価して遺産から支払う制度です。

現在の法律では、特別受益・寄与分の主張はいつまででもすることができました。
ですが、法律が改正されたため、相続開始(死亡日)から10年を経過した遺産分割では、特別受益・寄与分を主張することができなくなります。この制度は令和5年(2023年)4月1日から開始されますが、令和5年4月1日以前に亡くなった方の相続でも適用されます(※経過措置あり)。

遺産分割の話し合いをする必要があるのは分かっているけれど、他の相続人が生前の贈与(特別受益)を認めず話し合いが進まないため、放っておいてしまった、というような場合には、不利益を受ける可能性があります。

この制度については例外も定められていますので、お早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士 洪美絵

※経過措置
相続開始時から10年を経過するとき又は施行日から5年を経過するときのいずれか遅いとき

投稿者: 東京合同法律事務所

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