東京合同法律事務所
2026年6月18日、HPVワクチンによる副反応被害について、参議院議員会館において、院内集会「HPVワクチン 提訴から10年 被害者のいま」を開催した。HPVワクチン薬害訴訟は、私が弁護士1年目から弁護団に所属している、集団訴訟である。
この日の院内集会は、HPVワクチンの接種を、国が積極的に接種を勧めた以上、副反応被害者を切り捨てることなく、被害実態を把握し、治療と救済につなげることは国の責任であることを、あらためて訴えるための活動である。
院内集会には、各党の国会議員本人15名、12名の秘書が参加した。
冒頭、HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団より、裁判の現状と被害者を取り巻く状況が報告された。協力医療機関での治療は、多くは心因性に基づく症状という前提での認知行動療法等に留まり、免疫学的治療の研究や実施は十分になされていない。2022年にはHPVワクチンの積極的勧奨が再開され、接種率が60%を超える一方で、協力医療機関を受診する新たな被害者も増えている。それにもかかわらず、被害を訴える人々は「反ワクチン」とのレッテルを貼られ、社会的にも孤立させられている。
全国から参加した原告らは、多くの症状を抱えながら10年間声を挙げ続けているのに、状況が変わらないどころか新たな被害者が出ている現状に、無力感を感じていると口を揃えた。九州訴訟の原告は、「この10年間、何が変わったでしょうか。何も変わっていません。私たちの被害は見捨てられたままです」「10年前から声を上げ続けてきたのに、その声が新たな被害者に届かなかったことが悔しくてたまらない」と述べ、裁判はゴールではなく、治療法の確立と再発防止に向けた出発点であると訴えた。東京訴訟原告の原告は、13年間、国の協力医療機関に通い続けてきたが、「動きなさい、日の光を浴びれば治る、心因性だから」と言われるばかりで何も変わらないと語った。協力医療機関が本来の機能を果たしていない現実がここにも示されている。
他の原告からも、「病気と闘うことに疲れてしまった」「もう待ちくたびれている。」と、今なお続く深刻な被害の訴えがあり、積極的勧奨再開後に接種し、副反応が生じた新たな被害者からも、ビデオメッセージや手記が寄せられた。
参加した国会議員からは、被害者らの訴えに胸を痛めている、治療研究を国の責任で進めること、被害者に寄り添う支援を実現すること、そして研究者や臨床家が「反ワクチン」とのレッテルによって萎縮しないように守っていくことが必要であるとして、原告・被害者らの救済を目指すために力を尽くしたい旨の力強い発言が相次いだ。
国が勧めた接種によって生じた被害者を、放置したままにしてはならない。被害の実態を正面から把握し、副反応に関する治療法の開発を支援し、教育の機会を保障し、副作用被害者救済制度を柔軟かつ迅速に運用することが必要である。
HPVワクチン薬害訴訟は、一斉提訴から10年を迎え、2027年4月から5月にかけて全国4地裁で判決が予定されている。
被害者の人生は、いまも奪われたままである。この日の院内集会は、その現実を改めて確認する場となった。新たな被害を防ぎ、被害者が人生を取り戻すために、引き続き声を上げ続ける必要がある。











