東京都職員措置請求書

東京都知事に対する措置請求の要旨
1 請求の要旨
(1)  東京都知事は2001年第1回都議会定例会に「東京都地方公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」案を提出し,都議会はこれを可決しました。この条例によって,臨海副都心開発事業会計(以下「臨海会計」という),埋立事業会計(以下「埋立会計」という)及び羽田沖埋立事業会計(以下「羽田沖会計」という)が統合されました(以下「三会計統合」という)。
(2)  統合直前の臨海会計は,合計8815億円の借金を抱え,年間約500億円の支出に対し,収入は年間約100億円に過ぎず,毎日1億円ずつ赤字が累積する状態で,累積損失は5000億円を上回り,完全に破綻状態に陥っていました。
(3)  三会計統合によって,臨海会計は,埋立会計からの2920億円,羽田沖会計からの710億円の借入金をなくし,埋立会計から現物出資された都有地183ヘクタール(1兆2000億円相当)を取得し,埋立会計の資産2500億円相当(毎年37億円の賃料収入を含む)も取得したことになります。これによって臨海会計が受けた利益を単純に合計すれば1兆8000億円以上となり,それらはいずれも都民の財産ですから,臨海会計の累積損失の穴を都民の財産で埋めたものです。
(4)   しかし,上記三会計はいずれも地方公営企業法の適用事業のため特別会計として設置され,経費の負担について独立採算原則がとられ,他の特別会計が負担すべき経費と負担の方法は厳格に法定されています(同法17条の2)。
(5)  しかるに,三会計統合による埋立会計及び羽田沖会計の負担は,負担すべき経費の点でも,負担の方法の点でも,同法17条の2第1項所定の要件に該当せず,同第2項の規定(独立採算原則)に違反します。臨海会計が破綻した以上,破綻処理をして臨海副都心の事業を抜本的に見直すべきです。三会計統合は臨海会計破綻の抜本的解決を遅らせ,一般会計に戻すべき埋立会計と羽田沖会計の財産を一時しのぎの穴埋めに使うものであり都と都民に損害を与えています。
(6)   よって,本件条例及び三会計統合は地方公営企業法17条の2に違反し無効ですから,三会計は従前どおり存続しており,東京都知事は埋立会計及び羽田沖会計として所定の収入を確保し,事業終了後は一般会計に戻すべきであるにもかかわらず,これを怠っています。これは地方自治法242条1項の「違法に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実」に該当します。
1 請求者  略

  同請求者代理人  略


 地方自治法242条1項の規定により、別紙事実証明書を添え,必要な措置を請求します。

2002年3月11日

東京都監査委員 殿

事 実 証 明 書

1 都政新報2001年1月20日
2 日本経済新聞2001年1月20日
3 読売新聞2001年1月20日
4 朝日新聞2001年1月20日
5 毎日新聞2001年1月20日
6 東京新聞2001年1月22日
7 読売新聞2001年1月21日