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2018.01.26更新

生業訴訟、一審勝訴しました!!

馬奈木厳太郎

 福島地裁前で判決内容を報告する馬奈木弁護士

 福島第一原発事故の被害者約3900名が、国と東電に対して、原発事故の責任を追及し、原状回復と損害賠償を求めた「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟で、10月10日、福島地裁は、「津波を予見できたのに対策を怠った」「事故は回避できた」と、国と東電の責任を認め、賠償を命じる判決を言い渡しました。

 原発事故をめぐる全国約30の集団訴訟で、3件目の判決。国、東電双方の賠償を認めたのは3月の前橋地裁に続き2例目。国の指針を超える賠償を命じたのは、前橋地裁、千葉地裁に続き3例目となり、賠償制度の不備が司法によって明らかにされた形となりました。

 今回の判決でもっとも大きな点は、国の責任を認めたということです。これまで国と東電は「津波は想定外だった」「だから事故の責任はない」と主張してきました。しかし、裁判所は明確に、津波は想定外ではなく予見できたし、対策を取っていれば事故を回避することができたのだから、対策を怠ったことは違法だと断罪しました。原子力を扱う以上、危険を予見したのならば、万全の対策を講じなければならないという、当たり前のことではあるのですが、大変貴重な判断です。

 また、「万全の対策を講じなければならない」という判決の趣旨は、再稼働を進める今の国の姿勢にも一石を投じるものです。というのも、新規制基準は、避難計画など住民の安全確保を含んでおらず、万全な対策を講じていないからです。安全性より経済的利益を優先させる姿勢に警鐘を鳴らす判決だといえます。

 国と東電のもう一つの主張が、「年間線量が20ミリシーベルト以下では被害はない」「国の指針は合理的な内容で、相当だ」というものですが、これも判決では明確に覆され、被害救済の範囲・水準が国の指針のレベルでは足りないとされました。これも重要な成果です。ただ、この救済範囲と水準については、私たちの主張がすべて認められたわけではなく、今後に引き続く課題でもあります。

 全国各地で被害者の裁判が係属していますが、今回の判決は後続の裁判にも影響を及ぼすことになるでしょう。

さらに、私たちは原告だけの救済を求めているのではなく、あらゆる被害者が救済されなければならない――これを全体救済と言っていますが、今回の判決で救済範囲とされた対象地域の人口は、150万人以上にも及びます。だとすれば、政治の出番にもなってくる問題です。県や自治体も被害者と一緒になって、国に救済の見直しを迫っていくことも求められます。

 裁判は、原告と被告双方の控訴によって、仙台高裁に舞台を移します。引き続き、全力で頑張ります。ご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

 

投稿者: 東京合同法律事務所

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