弁護士 藤原 真由美
高すぎる固定資産税の評価について、きちんと審査してほしいという港区民からの不服審査申し出について、まともに審査してこなかったと、東京都固定資産評価審査委員会を断罪する判決が2005年7月13日、東京高裁で下され、住民側が全面勝訴を勝ちとりました。
問題は、バブルが崩壊し、地価が大幅に下落したにもかかわらず、固定資産税を決めるもとになる評価額が、それに見合って引き下げられず、実際の取引価格とかけ離れているところにありました。
裁判では、住民が取引の実態に合わない固定資産評価額を是正してほしいと都の審査委員会に異議を申し立て、いくら調査を申し出ても、実際の土地の売買実例などを調査しようともせず、まともに審査してこなかったこと(審理不尽)が問題になりました。
平成16年2月、一審の東京地裁は住民側の言い分をほぼ全面的に認め、都の審査委員会の決定を取消す判決を下しました。
この判決を不服として、審査委員会側が控訴した訳です。しかし、二審の東京高裁も、住民らの言い分をほぼ全面的に認め、「(審査委員会は)登録価格が客観的時価を上回るか否かについて改めて審理、判断すべきである」と断じ、第一審と同様の判決を下しました。 それに加え、東京高裁は、住民側が具体的な取引事例を提出して固定資産評価額が実際の取引価額とかけ離れているのではないかという合理的な疑問を提起した場合には、都の審査委員会は時価をきちんと審査せよと述べています。高額な固定資産税に苦しんでいる都市商業地の業者や住民にとって、この判決は大きな意義を持つものです。
今回の勝訴は、訴えた3人の方の強い信念と住民運動、そして支援してくれた多くの仲間がいたからこそ、かちとることができました。
現在、都側は最高裁に上告受理申立をしています。引き続き皆様の御支援をよろしくお願い申し上げます。
なお、この事件は、前川雄司・泉澤章・町田伸一の各弁護士と、私の4名が住民側代理人として裁判を担当しました。
(東京合同法律事務所ニュース 第108号より)