<身内や私自身が、突然、身に覚えのないことで逮捕されてしまったら>
あなたが本当に身に覚えのない事件に巻き込まれたのであれば、どんなに警察官が優しい猫なで声ですすめてきたとしも、「自白」(自分が犯人であると認めてしまうこと)をしてはいけません。よく、「あとで裁判官に話せば分かってもらえるはず…」「警察官も『自白さえすれば、すぐに釈放するよ』と言っているし…」と考える人がありますが、どちらも幻想にすぎません。残念ながら、ほとんどの裁判官は、検察が提出する自白調書を全面的に信用してしまいます。裁判になって、いくら「あれは嘘です、本当のことは今言ったことです」と述べたとしても、信用してもらえることはまずないといっても過言ではないでしょう。
そこで、あくまであなたが自分の無実を訴えたいときには、嘘の自白をしてその場を取りつくろうよりも、まず「黙秘権(もくひけん)」を行使して、一切何も答えないようにするべきです。日本国憲法は「黙秘権」を、憲法上の重要な権利として認めています(38条1項)。つまり、警察官だろうが、検察官だろうが、首相であろうが、この黙秘権を奪うことは絶対にできないのです。
そしてあなたが次になすべきことは、できるだけ早く弁護士を呼ぶことです。弁護士は、あなたから事情を聞いたうえで的確なアドバイスをし、あなたに代わって行動してくれるはずです。
「すぐに弁護士を呼んで下さい。それまで何も答えられません」ーもしも事件に巻き込まれたとき、まずはこの一言を思い出して下さい。
弁護士 泉澤 章