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荒井 新二(あらい しんじ)

荒井新二

 【経歴】
  1945年東京生まれ
  1968年3月 東京大学法学部を卒業
  1970年4月 司法研修所修了(司法修習生22期)
  を経て弁護士登録
  それ以降 東京合同法律事務所に所属



【所属弁護士会】
 東京弁護士会


【主な所属団体・役職等】
 東京弁護士会拘禁2法対策本部事務局長
 日本弁護士連合会 常務理事
 自由法曹団 幹事長・事務局長・団長


【著作、...ではないが、企画・編集】

 日弁連和英両訳パンフレット「代用監獄って何?」 What's daiyo-kangoku?
 (弁護士会として初めての両開き(写真付)和英対訳パンフレット)

 自由法曹団発行「憲法判例をつくる」(日本評論社)


【私からのメッセージ】

現在弁護士になって45年。これまで2000件を超える事件に取り組んできた。実に様々な事件があったし、もちろん勝訴もあれば敗訴もあった。事件は、こちらから求めるものではなかった。どちらかと言えば偶然的な要素が強いが、その引力はやはり自分のとっているスタンスからだろう。ふりかえってみて、興味をもって仕事を続けてできたことに感謝するとともに感慨深い。

私の関与したなかには、最高裁で判例的な価値があると言われる事件も少なくない。思いつくまま、いくつかを挙げてみる。

① 子どもの引渡をめぐる人身保護請求事件で子どもの権利保護のために独自に
  代理人をつけるべしとした判断(民事再審)
② 試採用拒否の是非をめぐる判断(大法廷事件 三菱樹脂高野さん事件)
③ 退職金請求につき明示的な一部請求に関し消滅時効の範囲に関するあらたな判断
④ 傭車運転手の契約上の労働者性についての判断
⑤ 新聞配布の国家公務員が「政治活動」の故に公務員法違反で刑事訴追された事件
  (堀越事件)

判例としていずれも興味深く、その時々の社会的問題を映し出したものだ。このほかに国が上告せずに判例が確立したと言える東京高裁の「大田立看板(軽犯罪事件)」もある。

先の⑤の堀越事件は、従前の「猿払判例」を実質的に変更し、判例性を否定して「事例判決」論を持ち出したが、そうすると上記事件の判断は今後どう考えるべきかと思い悩む最近である。

私は、最高裁の新判断を引き出して、判例を勝ち取ってやろう等と思い取り組んだことはない。たまたま遭った事件に誠実に向きあい、最善の努力だけはしたいとの思いで取り組んできた。その結果は自分の求めたように必ずしもならない。先の最高裁判断でも逆の判断をもらったこともある。事件に頭を突っこみ、事件と格闘することに夢中になって、その弾みで最高裁判例に逢着したというのが実際のところだろう。それは多くの弁護士の共通経験と思われる。

弁護士は確かに法的な知識・技術の専門家であるが、そのことを前提として、さらに「事実」の認識・取扱いにおいても高みをめさずべきであろう。そのことを今後とも追いかけていくのみである。
(2014年初頭にあたり)